【ひなビタ怪文書】ここなつ的観点からみる『ユリイカ』(適当)
いつも夕方の色
髪に馴染ませてた君を思い出した
──かつて『日向美ビタースイーツ♪』のリーダー的存在としてバンドを引っ張ってきた、山形まり花のことだろう。
その姿は、秋の季節、夕暮れになぞらえられることもあった。
ここは東京
空を食うようにびっしりビルが湧く街
──ここなつの二人が生まれ育った地、東京。
君が言うような
淋しさは感じないけど
──東京には、人がいる。桁違いに、人がいる。人の波に、あの時の感傷も流される時があるだろう。君、とはどちらが言っててもいい。
思い出した
ここは東京
──ここは東京。かつて散々馬鹿にした、あの田舎町ではない。
それはそれで僕は生き急ぐな
──東京は、生き急いでいる。
いつ終わるかな 風が吹く度 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 壁が立つ度 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ
──作曲・作詞を手がけた山口一郎氏は、東京の人々を指して「せっかちじゃないですか」「生き急いでるような」と表した(メタ)。
休むことは無い。街も、人々も。
なぜかドクダミと
それを刈る母の背中を思い出した
──想像上でもいいし、もしかしたら実際にそういう姿を見たことがあるのかもしれない。
ここは東京
蔦が這うようにびっしり人が住む街
──東京という街は、横に大きく人が住み、縦にも大きく人が住む。ここなつの二人も、かつては台場のタワマンに住んでいたと言及している。
君が言うような
淋しさは感じないけど
──強がってるだけ、とも取れるかもしれない。どう考えてもいい。
思い出した
ここは東京
──それでも、ここは東京。二人にとって、思い入れのある通過点。
それはそれで僕は生き急ぐな
──大都市は、時間の流れる速度が速い。地方都市とは違う。
いつ終わるかな 風が吹く度 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 壁が立つ度 生き急ぐ 生き急ぐ
いつ終わるかな 意味もないのに 生き急ぐ 生き急ぐ
──この旅も、いつ終わるだろう。音楽と関わり続ける限り、ずっと続くのかもしれない。順風満帆もいかなくても、生き急ぐ。
時が震える
──物理的な時計の針の触れを表しているのか、時間の経過を表しているか。
月が消えてく
──時間は止まらない、巻き戻しも効かない。月が消えることは、時間の経過。あるいはあの日々の記憶も薄れていることだろう。どんなに大切だったとしても。
君が何か言おうとしても
──目の前にいる姉、あるいは妹──視点によって変わるが──は何かを言おうとしている。それでも止まらない。または、記憶の中の、あの少女達が何かを伝えているのかもしれない。